会長挨拶 | JPEA(一般社団法人 日本プライベート・エクイティ協会)
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会長挨拶

ご挨拶

2022年、日本社会はようやくコロナ禍を禁止や自粛によってではなく、気を付けながら日常生活を営むことで今後も続く長期戦を乗り切る頃合いを見つけたように思います。旅行や外食、外国との往来の制限もなくなりました。
当協会でも、2022年9月に年次総会を3年ぶりに実地開催し、レセプションでは300人近い会員と来賓の方々が顔を合わせることができました。経済活動も長いトンネルを抜けて、以前の勢いを取り戻しつつあります。

しかし、そうして迎える2023年は、これまでの経済活動の前提が大きく変わってしまった世界です。エネルギー供給やサプライチェーン、コスト構造、金融の前提は大きく変わりました。企業は、格段に難度の増した事業環境の中で、コロナ禍で増えた負債を抱え、切迫度を増す環境問題に対処しつつ、なお成長を実現していかなければなりません。日本企業が長らく経験してこなかった世界です。
それぞれの企業は、こうした変化を踏まえて長期的な成長戦略を定め、必要な経営資源を調達し、目標を実現できる組織を作り、顧客の支持を獲得し、社員の能力開発を進めることになります。
経営のエラーマージンはずいぶんと小さくなりました。この隘路を間違わず渡り切るために、これまでにも増して問われるのが「ガバナンスの力」です。
だからこそ、ガバナンスを起点として企業の長期的な成長を実現するプライベート・エクイティの真価が問われます。グループ戦略の見直し、創業者の引退、経営破綻 ― それまで当然とされてきた存続の前提が大きく変わる状況にある企業を支援し、新たな環境においても成長できるよう、私たちは心血を注いできました。

いま、改めて、この力を着実に発揮することが求められます。
だからこそ、私たちが集まって情報交換し、学び合って切磋琢磨し、多様な強みを持ったプレーヤーがそれぞれ特徴のある仕事を世に問い、発信していくことが求められます。そうすることで業界全体として社会から求められる役割を果たし、その期待と付託に応えることができます。当協会はそのためのプラットフォームです。

パフォーマンス・データベース調査では長期にわたり上場株に対して超過リターンを実現できていることが示されています。最新の調査では参加ファンドが30社を超えました。オンラインコラムでの発信、毎月の勉強会、JPEAアウォード受賞案件のインタビューなど、協会の活動の幅と厚みは着実に増しています。
企業が常に成長を追求するのは、富を生むことで顧客と社員に報い、新たな雇用を生み、取引先と投資家を含む社会に広く還元する機能を期待されているからです。ガバナンスの力を通して数多くの投資先の成長を担う私たちの役割は今後ますます大きくなります。その社会的責任の大きさを踏まえ、このたび、この分野における協会の活動を推進する司令塔として、ESG委員会を新設しました。

当協会は今年設立18年目を迎えます。正会員・賛助会員を合わせて130社を超える大きな団体となり、理事会の顔ぶれも新しくなりました。
日本企業の価値向上を実現することを目指すさまざまな分野のプロフェッショナルが集うプラットフォームとして今後も役割を果たしていきたいと思います。広がり続ける協会の活動にさまざまな形で巻き込まれ、力を尽くしてくださったすべての皆様に感謝申し上げます。そして引き続き巻き込まれていただきますよう、お願い申し上げます。

 日本プライベート・エクイティ協会
会長 林 竜也

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